どうなる?オミクロン株の行方

コロナウィルスの株は変異を繰り返し、世界中の人々が不安で不便な暮らしを強いられています。
日本国内では法律や憲法の関係からロックダウンなどの強制的な措置は行えなかったにもかかわらず、諸外国と比較しても感染者数、重症者数、死亡者数共に低い値を示しました。
これについてはまだまだ検証が必要で査読論文なども出ていない状況ではあるものの、多くの人々の自主的な行動変容をはじめ、手洗い、消毒、マスクの着用と言った元々備えられていた高い衛生観念も大きく関与したと言われています。
緊急事態宣言や蔓延等防止措置の期間中には感染の根源とされた飲食店に時短営業や休業、アルコール類の提供の禁止などが要請されたほか、エンターテイメント系のイベントでは中止や延期を余儀なくされました。
それらの取り組みが功を奏し、日本全国で1日あたり最大数千人にも上った感染者数が2桁台までに低下しました。
しかし、その間もコロナウィルスの株は変異を繰り返し、ここに来てオミクロン株の登場により再び猛威を振るい始めています。
従来株は感染すると高熱と肺炎に苦しめられ重症化した後、死にも至る可能性がありましたが、オミクロン株は変異を繰り返す中で弱毒化され咳や鼻水、喉の痛みなど比較的軽症で済むとされている一方、従来株よりも遥かに高い感染力があると報告されました。
従来株はウィルスが肺まで入り込み肺炎を引き起こしますが、オミクロン株は鼻や喉に留まって発症するのが特徴で、人体の浅い場所にあるからこそ会話などで生じる飛沫による感染がより顕著に表れるのが高い感染力に関与しています。
一部では空気感染の可能性も懸念され、これまで以上に広範囲な感染が懸念されています。
そんなオミクロン株ですが、今後の行方が気になるところです。
当初は未解明の部分が多かったものの世界各国での研究が進み、現在では査読前とは言えいくつかの論文が公表され始めています。
最も楽観的な説では、このままオミクロン株が大きな変異をしなかった場合、新興国を含む全ての国の人々にワクチン接種が行きわたるのに加えて、飲み薬がいつでもどこでも購入できるまでになれば、季節性インフルエンザのような扱いになると言及されました。
それらの条件が揃えばマスク無しの生活に戻ることも可能で、その時期は2024年頃なのではないかと推測されています。
一方、悲観的な説では今後も変異を繰り返し、さらなる高い感染力と強毒化された株が登場するという可能性が懸念されています。
当初2回の接種で効果を発揮すると言われていたワクチンも、時間の経過とともに抗体が減衰することが明らかとなっており、日本国内でも3回目の接種の前倒しが検討されている最中です。
また、ワクチン先進国と言われているイスラエルでは医療従事者やリスクの高い高齢者、基礎疾患を持つ方を優先に早くも4回目の接種が始まりました。
ゲームチェンジャーとされる飲み薬は現在、日本国内の各製薬メーカーにより治験が実施されており、早ければ2022年の初頭には承認申請することを目指しています。
その後、承認されクリニックでの処方、あるいはドラッグストアなどで気軽に購入できる体制が整えば、一気に状況が好転する可能性があります。
自粛疲れという言葉もあるように、自身だけではなく大切な人の命や健康を守るために多くの人々が高い志を持って取り組むのも限界が近づきつつある一方で、ほんの僅かながら光が見え始めました。
比較的軽症で済むとされているオミクロン株とは言え、手洗い、消毒、マスクの着用などの感染対策をこれまで同様徹底し、明るい未来が訪れるその日までもうひと踏ん張り辛抱したいところです。